職場でのコミュニケーション

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1.報告・連絡・相談(ホウレンソウ)
(1)報告(ホウ)

■「あの件はどうなっているか?」と聞かれる前に、自分から仕事の進み具合を報告しましょう。

■面倒がらずにこまめに報告する事が大切です。

■相手の都合を考慮し、忙しそうなときは控えましょう。

■メモで伝える方法もあります。

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■ただし、緊急事態発生という場合は、ただちに報告をしましょう。

■「今、よろしいですか」と尋ねて、了承を得てから報告に入りましょう。

■「○○の件についてご報告します」と、まず内容を明らかにしましょう。

■結論を最初に言いましょう。経過説明は簡潔第一ですが説明を求められたらT寧に話します。

■5W3Hをふまえ、わかりやすく正確に伝えましょう。

■事実のみを簡潔に報告し、憶測や私見は別にしましょう。

■自分の不都合なことも隠さず報告しましょう。

■自分の意見を言う場合は、報告の最後に

■「これは私の考えですが」と断ってから私見を述べるようにします。

■詳細な説明が必要な場合は、見やすい資料やデータなどを用意して報告をします。

■報告は指示・命令をした人に行います。

■他の人への報告は本人への報告が済んでからにしましょう。

■「報告」は、それまでに起きた「過去」の事実を伝えることです。

 「期日に間に合わなかった」というのは「報告」です。

■一方「連絡」は、これから行う「未来」の内容になります。

 「期日に間に合わない」というのは「連絡」です。

■状況に応じて必要な「報告」や「連絡」を行うことが大切です。また、今日の仕事を「報告」する際に、明日の予定もセットで「連絡」する習慣をつければムダが省けます。

(2)連絡(レン)

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■上司への連絡は瞬時に

■「これくらいのことはいちいち連絡しなくても」という自己判断は禁物

■スケジュール確認やその日の予定、状況を伝える

■電話連絡で本人が不在のときは伝言してもらうことも

■重要な連絡事項は本人に再確認を

■込み入った連絡事項は、要点を口頭で伝え、後から電子メールなどを使って詳細に

■「連絡」は、これから行う「未来」の内容になります。

 「期日に間に合わない」というのは「連絡」です。

■一方「報告」は、それまでに起きた「過去」の事実を伝えることです。

 「期日に間に合わなかった」というのは「報告」です。

■状況に応じて必要な「報告」や「連絡」を行うことが大切です。また、今日の仕事を「報告」する際に、明日の予定もセットで「連絡」する習慣をつければムダが省けます。

(3)相談(ソウ)

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■疑問があれば、必ず相談

■「こんなことを聞いたらバカにされないだろうか」などと1人で心配しているのは時間のムダです。

■聞かなかったことでミスする方が問題です。

■問題が起きたときや判断に迷うときには、すみやかに上司に相談をしましょう。

■独断で誤った判断をしたばかりに会社に損害を与えることもあります。

■相手の都合も考えて、タイミングよく

「ご相談をしたいのですが、今、お時間よろしいですか?」と都合を聞いてから相談しましょう。

■案件は相手が判断しやすいように整理しておきましょう。

■問題が起きるたびに何でもかんでも相談していては成長がありません。

■まずは自分自身でよく考えてみることが大切です。

■事前に教わっていたこと、一度失敗したことなどを何度も相談していては仕事に対する姿勢も疑われます。

■自分なりの対処法を用意しておきましょう。

「わたしは・・・と思うのですが・・・という不安材料がありましたのでご相談させていただきました」

2.仕事の基本サイクル

 報告・連絡・相談(ホウレンソウ)を行うときは、PDCAのどの段階の要件かを念頭に常に5W3Hを意識して行いましょう。仕事を効率よく行い、ミスを防ぐことにもつながります。

(1)PDCA

PLAN (計画)

→DO (実行)

→CHECK (結果の確認)

→ACTION (手直し)

(2)5W3H
Whenいつ打ち合わせ日、納期など
Whereどこでどこで行う仕事か
Whoだれが誰が(誰と)やるのか
What何を仕事の内容
Whyなぜ仕事の意義、目的
How toどのように仕事の段取り、手順
How muchいくら金額
How manyいくつ数量
3.職場での様々なコミュニケーションのマナー

 報告・連絡・相談(ホウレンソウ)を行うときは、PDCAのどの段階の要件かを念頭に常に5W3Hを意識して行いましょう。仕事を効率よく行い、ミスを防ぐことにもつながります。

(1)紹介のマナー

■紹介してもらいたい人を先に紹介する。

■紹介する人が複数の場合は、親しい人、年齢の低い人、社会的地位の低い人から順に紹介する。

■他社を訪問したときは、訪問をしたほうが先に同行者を紹介する。

■氏名、身分、職業、専門、紹介者との関係、紹介の目的などを簡潔に。

(2)頼み方

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■あくまでも謙虚に。

■押しつけがましく、身勝手と取られないように。

■相手の意見も充分聞く態度で。

「恐れいりますが」「恐縮ですが」

「ご都合のいい時、10分ほどお時間いただけませんか」

■他部署や取引先への依頼は上司からの援護射撃も活用する。

(3)説得

■説得とは納得させて行動をとらせること。

■自分の意思で行動を起こさせる。

■相手の不安をなくすこと。

(失敗するかも、仕事が増える、時間がない、損をしそう、難しそう)

■相手が率直に受け入れてくれるような環境で。

■関心をひくようなポイントを抑える。

■相手の考えを把握して、相手に合わせるように話す。

■内容を具体的に説明する。

■無理をせずワンクッションおく。

■根気よく繰り返す。

■補助力(物カ・金カ・権力など)を利用するテクニックも。

(4)断り方のマナー

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■相手の立場を尊重し、意見を最後まで聞く。

■あいまいな言葉を使わず、はっきり断る。

■応じられない理由や事情を明らかにする。

■代案を提示する。

■断る時にも相手の責任ではないというニュアンスも必要。

「私どもの力不足で」「社の方針ですので」など。

■断りの言葉は誠意をこめて「申し訳ありませんが」と頭を下げて言えばやわらか。

■話の内容を察したら、先回りして予防線をはるテクニックも。

(5)謝り方のマナー

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■たとえ自分のミスではなくても言い訳はNG

「失礼があったそうで」

「~そうで」は、自己弁護なのでNG

■会社を代表して謝る気持ちだと気が楽!

■姿勢を正し、恐縮した態度で

■「申し訳ございません」とはっきりと頭を下げる

(6)苦情の処理

■誠意をもって対処する。

■相手の言い分は、冷静に、最後まで聞く。

■苦情から逃げない。

■相手の意見を熱心に聞くことにより、相手の欲求不満を解決する。

■手が話を終え、落ち着いたところを見はからって説明する。

■説明は穏やかに、かつ率直にする。

■相手の思い違いであっても、相手を攻めない。

■相手の手違いや不当な要求については、部分的に確認して同意を求める。

■相手の立場を認めると同時に、自分の立場も理解してもらう努力を。

■誠意をもって納得できる解決法を見いだす。

(7)コンプライアンスに関わる事例

 コンプライアンス(法令遵守)は、社会生活において非常に重要な要素です。さらに法令違反で無くても、モラル(道徳・倫理・品性)を保つことも同様です。近年、横領や詐欺などがニュースでも大々的に扱われますが、もし、そのような行為に気づいたら毅然と発言できる態度が現代のビジネスパーソンには求められています。黙って見逃すのは人間としてのモラルに反することです。まずは信頼できる上司に報告しましょう。上司から隠蔽行為を命令された場合は、はっきり断る勇気も必要です。コンプライアンス、モラルについては、言いにくいことでもはっきりと意見を述べることが必要です。

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(8)使える事例集

上司に対して提案する

上司のスケジュール、状況を把握しておき、忙しくないときを見計らって声をかけましょう。また話の内容は簡潔にまとめておき、結論から先に話しましょう。経緯はそのあとに状況に応じて補足しましょう。

「今、お時間よろしいですか?」

「実はA社との取引で2つの案を考えています。部長のお考えはいかがでしょうか?」

頼まれた仕事を断りたいとき

すぐ「できない」とは言わず、現状を率直に話して、上司の判断をあおぎましょう。

「A部長に明日までにB社の見積り作成の仕事を頼まれておりますが、どちらを優先させたらよろしいでしょうか」

「今、この仕事をしておりますが、そちらを先に終わらせたほうがよろしいでしょうか」

「あいにくこれから打ち合わせで外出するため、明日でよろしければできるのですが」

「○○ならできるのですが」のように代案を提示する方法もあります。

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得意先に対して断るとき

■無理と思われる案件でも、相手の意見、依頼を充分聞きましょう。

■婉曲な言い方でニュアンスを和らげて断るようにしましょう。

「申し訳ございません。日程の調整がどうしてもつかず、今回はお引き受けいたしかねますが」

「また、機会がございましたら何とぞよろしくお願い申しあげます」

「お客様のおっしゃることはよくわかります」

「ただ、誠に恐れ入りますが、今回のお取引につきましてはご要望に沿いかねまして」

「私どもの力不足で申し訳ございません」

一度聞いたことを再度確認したいとき

申し訳ないという気持ちを込めること。そのときは必ずメモを取りましょう。

「何度も申し訳ないのですが、明日の打ち合わせは13時に第2会議室でよろしいでしょうか?」

わからなかった点、再確認したいことに絞って聞きましょう。

「さきほどお聞きしたA社との打ち合わせの件について、先方の希望日時についてもう一度伺いたいのですが」

緊急事項を伝えたいとき

後回しにされないために「緊急」の内容であることをまず告げましょう。

「至急、ご指示いただきたいことがあるのですが、少しお時間よろしいでしょうか?」

まず、結論だけを報告します。詳細については上司に求められたら説明しましょう。

「A社から部品の納期を15日までにして欲しいと依頼がありました。製造元のB工場では、何とか対応可能とのことですが、課長とご相談したい点があるそうです」

同僚と意見が違うとき

相手がどのように結論を導いたかを聞いてから判断しますしょう。

「企画のテーマは若い女性向けの新商品についてということでよろしいでしょうか」

「どういうところから、このアイデアを考えられたのですか」

「A社への納品の件で、どのように日程を決めたのか教えていただけませんか」

友人の借金を申し出を断りたいとき

むげに断らない。

相手の事情を親身になって聞くこと。

自分の金銭状況をなるべく具体的に話し、納得してもらいましょう。

「親戚の結婚式が続いたせいで、やりくりが大変なんです」など。

あらぬ噂をたてられたとき

感情的にならず、必要以上に弁解しなければ、噂に尾ひれがつくこともありません。

「Aさんとの噂は、私とは関係ありません」

いじめやいやがらせを受けたとき

卑屈にならずに毅然とし、いやがらせなどに屈しない強さをさりげなくアピールしましょう。

「業務に差し支えるようないやがらせは、上司に相談させていただきます」

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4.話し方・言葉づかい
(1)職場での言葉の使い方
同意する時「はい、かしこまりました」
「承知いたしました」
依頼する時「おそれいりますが」
「~をお願いできますか」
「~をしていただけませんか」
礼を述べる時「ありがとうございます」
「おそれいります」
断る時「いたしかねます」
「わかりかねます」
謝罪する時「申し訳ございません」
(2)使える会話フレーズ
挨拶するいらっしゃいませ。
いつもお世話になっております。
ご無沙汰いたしております。
お待たせいたしました。
依頼する恐れ入りますが(お手数ですが)○○していただけますか。
申し訳ありませんが○○をお願いできますか。
承知するかしこまりました。
承知いたしました。
承りました。
それで結構でございます。
断る(非常に・まことに)残念ですが、○○いたしかねます。
(あいにくですが)
私の一存では決めかねますので
(上司と相談して) ...
感謝する非常にありがたく(うれしく)存じます。
おかげさまで○○できました。
ありがとうございます。
恐れ入ります。
謝罪する(気がつきませんで・至りませんで)
申し訳ございません。
失礼いたしました。
ご迷惑をおかけいたしました。
確認するもう一度おっしゃっていただけますか。
(これで)いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
質問する少々お伺いしたいことがあるのですが。
どのようなご用件でしょうか。
答えられないわかりかねますが。
存じませんので、お答えいたしかねますが。
反論するごもっともですが(おっしゃるとおりですが) ...
申し上げにくいのですが...
辞去する本日はお忙しいところお邪魔いたしました。
名前を尋ねる大変失礼ですがどのようにお読みするのでしょうか。
名剌をいただくちょうだいいたします。
時間をいただくお手すきできたら(ご都合がよろしければ)少々お時間をいただけますでしょうか。
(3)電話を受ける時のフレーズ

「お待たせいたしました」

「はい(お電話ありがとうございます)、○○社営業部でございます」

「○○会社の秋田様でいらっしゃいますね」

「いつもお世話になっております」

「福島でございますね。少々お待ちください」

「失礼ですが、どちらさまでしょうか」

「○○社の秋田様でいらっしゃいますね。福島と代わりますので少々お待ちください」

「(大変)申し訳ありません(ございません)」

「福島はただいま席をはずしております」

「あいにく福島は外出しております。15時頃には戻る予定でございます」

「戻りましたら折り返しお電話を差し上げるようにいたしましょうか」

「こちらで福島と連絡をとって、すぐにお電話差し上げるようにいたします」

「よろしければご用件をうかがいますが」

(5W3Hをおさえてメモをとる)

「復唱いたします(繰り返します)」

「確かに申し伝えます。私、○○課の佐藤と申します(が承りました)」

「ありがとうございました」

「失礼いたします」

「今後ともよろしくお願いいたします」

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(4)電話をかける時のフレーズ

「○○社の福島です。いつもお世話になっております」

「お忙しいところ失礼いたします。私、○○会社の福島と申します」

「恐れ入りますが、○○部の山田様はいらっしゃいますか」

「○○社の福島でございます(です) 。いつもお世話になっております」

「○○の件ですが」

「○○点あります。まず1点目ですが」

「今よろしいでしょうか」

「少々お時間をいただけますでしょうか」

「かけ直しますので、電話のあったことをお伝えいただけますか」

「お戻りになりましたら、お手数ですが折り返しお電話をいただけますでしょうか」

「伝言をお願いできますでしょうか」

「念のため確認させていただきます」

「失礼ですが、お名前をお教えいただけますでしょうか」

「念のため電話番号を申し上げます」

「確かに申し伝えます。私、○○課の佐藤と申します(が承りました)」

「それでは、よろしくお願いいたします」

(5)来客取り次ぎのフレーズ

「失礼ですが、どちら様でしょうか」

「失礼ですが、どなた様でいらっしゃいますか」

「こちちで(少々)お持ちいただけますか」

「お約束でいらっしゃいますか」

「お約束をいただいておりますでしょうか」

「(申し訳ありませんが)私にはわかりかねますので、そちらにおります者にお尋ねください」

「申し訳ございません。○○は外出いたしておりますが、いかがいたしましょうか」

「お手数をおかけいたしますが、後ほど改めてお越しいただけますでしょうか」

「お呼び立てして申し訳ございません」

「○○から聞いておりましたので、お名前はよく存じ上げております」

(6)配慮のフレーズ

「お気遣い(お心遣い)いただきまして、ありがとうございます」

「少々お時間をいただきますよろしいでしょうか」

「少々お時間をいただきますが、よろしいでしょうか」

「担当者が心得ておりますので、ご安心ください」

「後ほどお送りいただければ結構です」

(7)上司に対する言葉づかい

「部長、よろしければご覧いただけますか」

「お手すきでしたら、お目通しいただけますか」

「お気に召していただけましたでしょうか」

「こちらにご印鑑をいただきたいのですが」

「お先に失礼させていただきます」

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最後に

 ビジネスの世界で必要なのは、仕事の知識だけではありません。仕事への取り組み方、人間関係を円滑にするマナー、ルールなど身につけておかなければならないことはたくさんあります。また、電話や接客での応対、取引先や上司の付き合い方、身だしなみなど一般常識としても大切なことです。

 仕事をしていく中でマナーやルールが相手の立場を考え仕事を円滑に運んだり、トラブルを未然に防いだりするのに大いに役立ってくることがわかると思います。ビジネスマナーを意識しながら仕事をしていくことで、少しずつでも自分の身についていきます。がんばりましょう。

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